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タイから帰ってきたもの

「ごみ」と聞くと廃棄物という言葉を思い浮かべてしまいます。
では廃棄物とは何なのかと言えば、所有者が不要となったもので第三者から見ても価値が無いものです。

ではその第三者とは誰なのか?

国内のスクラップ屋が雑品として排出者から有価物として購入したものでも、輸出先の国ではごみだった…。
こんな問題はもうしばらく前から国際的に言われ続けている話なのですが。


電子ごみ2年ぶりにタイから返却 ~「有害」と輸入拒否 (共同通信)
http://this.kiji.is/130948490880712708?c=39546741839462401


日本から輸出された金属スクラップですが、中には電子基板などの有害なごみが含まれます。
そのため、タイ政府を輸入を拒否。
現在、タイの港に約200tばかり保管されているそうなのですが、この度、めでたく2年ぶりに日本に返却されました。
タイは有害廃棄物を無事に返却した記念に、式典を開いたのだとか。

日本国内で有価物だからと安易に買取を行い、手を掛けずに輸出を行った結果です。
マスコミでも「携帯電話の中にレアメタルが云々~」と取り上げ話題になりましたが、基板の中の有害物質は取り上げず。
価値があるという内容だけが一人歩きし、適正なリサイクルが忘れられた訳です。
これが産業廃棄物だった場合排出者は責任を免れませんが、有価物の場合は所有者が買い取った時点で移ってしまいため、責任は輸出を行った業者となります。

タイ政府は記念式典を開くほど、何が記念になったのでしょうか。

記事の中に「有害廃棄物」とあります。
リサイクル目的で、有価物として輸出した金属スクラップのはずが「有害廃棄物」と表現されるのはなぜでしょう。

国内において、廃棄物と有価物の定義は定めがあります。
では国家間ではどうでしょう。
ある国においては価値があるものでも、別の国では価値が無いとされるものも少なくありません。
また、1980年頃、欧米先進国からの廃棄物がアフリカなどの開発途上国に放置され、環境汚染が多発したこともあります。
このようなことがないように、国際的に定めたルールがあります。

バーゼル条約です。

バーゼル条約では、「有害廃棄物の越境移動およびその処分の規制」が定められています。
条約内で定めた規制物質を「有害廃棄物」としています。
規制対象物質等の定めは付属書で確認できますが、これが結構複雑だったりします。
例えば、鉄スクラップはOKですが、鉄スクラップの山の中にPVC等異物が混入していれば、規制の対象になる可能性があります。

ですので、タイ政府から返却される有害廃棄物は、基板だけが問題なのでは無く、ブラウン管やバッテリー、プラスチックに廃触媒、中古家電品まで様々なものがごっちゃ混ぜになったものでしょう。
有害物質は別に、鉛だけではありませんので。

タイ政府は、こうした有害廃棄物を国際条約に基づき堂々と先進国に突き返せたという姿勢が国内で高い評価を受けているのでは無いでしょうか。
有価物だからなんでもいい、国土が汚染されても経済成長を…という考えでは無く、自他国認める環境保全の国としてのアピールにもなるでしょう。

しかし、有害廃棄物というレッテルを張られた”ゴミ”を突き返された日本は、国際的に赤っ恥です。
今後、環境省と経済産業省は気合を入れて水際の監視をすることでしょう。

廃棄物、有価物関係なしに。
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