プラスチックリサイクルの終焉

梅雨明けする前に夏が終わりそうな涼しさです。
個人的にはありがたいのですが、暑くないと困る方もいます。
心なしかセミも少なく感じさせます。

ここ2、3日で覚悟はしておりましたが、中国においてリサイクル目的のプラスチックの輸入にストップが次々と掛かっています。
今年の末から本格的に~と思っておりましたが動きが早いようです。
硬質、軟質問わず、プラスチック全般の受け入れを拒否しているようです。

プラスチック売却は数年周期でダメになったり、また復活したりを繰り返してきました。
元々価値が低く、比重が軽いため取扱いが難しいため、相場や輸送ルート、主な輸出先である中国の影響を受けやすく、浮き沈みが激しいものでした。
今回、中国の輸入拒否により、今までの浮き沈みとは次元が違うレベルでプラスチックリサイクルに大きな影響を及ぼすことになりそうです。

プラスチックのリサイクル…有価物化のカラクリは単純です。
そのほとんどの最終到着地は中国です。
一部、他のアジア圏もありますが、他国でペレット等に加工された後、中国市場で製品材料として使用されます。
日本やアメリカといった先進国では、自国でプラスチックの種類ごとに分別したり、洗浄、ペレット化するコストを惜しみ、中国へ減容し輸出します。
中国ではそれを分別、洗浄、破砕、ペレット化し、市場に戻します。
このサイクルが成り立っていたおかげで、長きに渡り、プラスチックゴミの発生が抑止されてきました。
包装容器リサイクル法をはじめとする、プラスチックのリサイクルは、今や中国無しでは成り立たない事態になっています。

今回、プラスチックが売れない=輸出できない理由はいくつかありますが、それらが複雑に絡んでいるため事態は最悪の方向へ流れつつあります。

まず、そもそも輸出されていたプラスチックの有価性は高かったのか。
工場由来の製品端材として発生するプラスチックの場合、単一素材で付着物や汚れも少なく原材料に戻すのは容易です。
しかし、中国国内に輸出されるプラスチックの多くは、未選別であったり、汚れ等付着物の多いもの、中にはゴミが混ざっているものもありました。
世界的に環境問題が騒がれている昨今、このようなものを輸入することは好ましくないと判断するのも当然の選択なのかもしれません。

次に、原油市場の安値。
日本国内にいると、原油市場が安値のままだと言われてもピンときませんが、世界的にみれば安値が続いております。
海外から輸送費掛けて使用済プラを輸入するより、バージン材を購入したほうが良いと判断する市場も増えたことでしょう。
こうなると、スクラップのプラスチック需要の低迷に繋がり、買値の下落が起きます。
輸送費や経費は変わりませんので、場合によっては逆有償に陥る場合もあり、プラスチックリサイクル市場の縮小へ繋がります。

さらに、ライセンス更新の厳格化
これは最初に述べた内容の延長線上になるのでしょうが、中国へリサイクル原料を輸出しようとした場合、AQSIQのライセンスを取得しなければなりません。
しかし、先月、中国政府が世界貿易機構(WTO)に、プラスチックをはじめ古紙や廃棄物の輸入を年内をもって停止すると通告しました。
これを受けAQSIQでもライセンス更新を厳格化することで、輸入停止への準備が始まりました。
この点からも、中国政府の本気度が判ります。
*AQSIQ:中華人民共和国国家質量監督検験検疫総局

他にも要因はあるのでしょうが、管理人的にはこれらが大きいのではと考えております。
今後の見通しでは、一部の緩和はあるかもしれませんが、事態は良くなる可能性は非常に低いと見ています。
工場由来の単一素材の端材や、限りなく原材料に近い状態となったプラスチックは可能性がありますが、それ以外は終焉を迎えたと言っていいのではないでしょうか。
また、国際的にみても自国の廃棄物は自国で100%処分するのが当たり前、資源価値があろうと無かろうと、原料レベルまでは自国で行うのが当たり前という考え方に変わってくるのかもしれません。
多くのプラスチックは産廃化してしまい企業の負担は増えるのかもしれませんが、プラスチックのマテリアルリサイクルを専門で行うような処理業者が増え、プラスチックの処理費が下がる方向へ動くのではと期待もしています。

これもひとつの変革だと、個人的には捉えています。
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