ステンレス4つの系統

涼しい日々が続きます。
過ごしやすい気温なのですが、いきなりの気温の変化に体がついていけるか心配している高齢化した肉体を持つ管理人でございます。
まだまだ関東以南では暑さが続いているそうですが、そのようなニュースを見ると、ここは本当に同じ国であるのか疑いたくなります。
朝晩など、クーラーどころか扇風機もいらないくらいなのです。

久しぶりに金属の話などしようかと思います。
日本の技術の素晴らしい点に、材料開発があげられます。
日夜新しい材料の研究により、星の数ほどの合金があります。
アルミに然り、鉄、銅合金然り。
その中でも、ステンレスの種類を挙げたいと思います。

1912年、ステンレスがイギリスで実用化され、日本で本格的に一般的に実用化されたのは1960年。
一般的なので歴史が長いと思われがちなのですが、誕生から100年も経っていない金属合金です。
その性質のお陰でリサイクル率も高く、80%以上再資源化されていると言われています。
ステンレスの生産量は、日本が一番多く、次いでアメリカ、韓国と続いております。
生産量も増え続けており、年3000千t以上も生産されております。

そのステンレスにも、実は用途に合わせた多種多様の種類が存在しています。

suse


大別すれば4つの系統があることがお解かりになるかと思います。

マルテンサイト系と呼ばれる13クロム系統のステンレスは、成分と熱処理条件を選ぶことにより広範囲の性質が得られます。
棒鋼、平鋼の形状で使用されることが多く、高強度、耐食・耐熱性が必要な機械構造用部品、などに使用されています。

フェライト系と呼ばれる18クロム系統のステンレスは、熱処理により硬化することがほとんどなく、焼なましの状態で使用されます。
成形加工性および耐食性が優れており、溶接性も比較的良好であるため、一般耐食用として広く、厨房用品、建築内装、自動車部品、ガス・電気器具部品などに使用されています。
中でも、高純度フェライトステンレスは、耐食性が一段と優れており、また塩化物応力腐食割れを起こしにくいため、温水機器や化学プラントなどにも用途が広がっています。

二相系と呼ばれるステンレスは、オーステナイトとフェライトの二つの金属組織(二相)をもつ系統です。
物理的性質はフェライトとオーステナイトのほぼ中間に存在しており、耐海水性、耐応力腐食割れ性に優れ、強度も高いという両者の利点を持ちます。
これらの特性により、海水用復水器、熱交換器および排煙脱硫装置などの公害防止機器や各種化学プラント用装置に用いられています。

オーステナイト系と呼ばれる系統は、18クロムー8ニッケルのSUS304に代表されるように、延性および靭性に富み、深絞り、曲げ加工などの冷間加工性が良好で溶接性も優れて、さらに耐食性も優れ、低温、高温における性質も優秀です。
これらの優れた性質のため、用途は広範囲にわたっており、家庭用品、建築用、自動車部品、化学工業、食品工業、合成繊維工業、原子力発電、LNGプラントなどに広く用いられています。
製品形状は薄板が最も多く、そのほか厚板、棒、管、線、鋳物など全般にわたり、製造量は全ステンレス生産量の60%を越えます。

ステンレスがいくら錆びない金属と呼ばれているとはいえ、絶対に錆びないというわけではありません。
錆びにくい金属なのです。
そのため、使用用途に合わせて上記の系統を使い分ける必要があるのです。

我々スクラップ業界でもこれらの系統を熟知した再資源化を目指していければと考えております。
スポンサーサイト

1 Comments

低フリクションマルテンサイト  

パラダイムシフト

島根大学の客員教授である久保田邦親博士らが境界潤滑の原理をついに解明。名称は炭素結晶の競合モデル/CCSCモデル「通称、ナノダイヤモンド理論」は開発合金Xの高面圧摺動特性を説明できるだけでなく、その他の境界潤滑現象にかかわる広い説明が可能な本質的理論で、更なる機械の高性能化に展望が開かれたとする識者もある。幅広い分野に応用でき今後48Vハイブリッドエンジンのコンパクト化(ピストンピンなど)の開発指針となってゆくことも期待されている。

2017/07/09 (Sun) 23:21 | EDIT | REPLY |   

Leave a comment